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薬剤師の病院での年収について、今回は考えてみましょう。薬剤師、と一口に言っても様々な雇用形態、様々な職能があります。
病院薬剤師、薬局薬剤師、ドラッグストアの薬剤師、CRO、SMO、MR、MS、研究職・・・。その中でも薬剤師としての地位は高く、特に新卒の就職に当たっては年収が低いと言われる病院薬剤師。
現在、病院薬剤師として現場で活躍する薬剤師は年収が良いか悪いかだけでなく、
何に悩まされ、今後はどうなっていくのかについても触れていこうと思います。
今回はあなただけではない、悩む病院薬剤師たちの現状と、
今後をちょっと真面目に考えていきます。
薬剤師の病院での年収を考える前に、病院薬剤師の位置づけについて考えてみましょう。
病院薬剤師が薬剤師の中で最も地位が高いと言われる由縁は、ひとえに現場の先生方のたゆまぬ努力の結果でしょう。
日々の業務に追われながら、研究を重ね学会で発表をする。もちろん薬局薬剤師も学会で発表することは可能です。日本薬剤師会主催の発表会は薬局薬剤師が多く集まります。
しかし、病院では患者様とより長く、深く関わることができるため、調査の内容もより濃くなります。また、ドクターとの共同研究、なんてことも可能なのです。
最近ではフィジカルアセスメントを積極的に取り入れていこうという動きもあります。いわゆるバイタルサイン、心音や心拍数、雑音を聞き取ることができる、といったスキルです。
薬剤師は診断をすることはできませんが、薬による副作用で起こってくるバイタルサインの変化をチェックするために、このフィジカルアセスメントの導入が叫ばれるようになってきました。
導入に向けて日々現場での努力が続いている病院も多いでしょう。そのフィジカルアセスメント講習会は連日満員。大きな病院の薬剤師でも、参加することすら出来ない場合があります。
また、私立薬科大学を始めとする各薬科大学ではすでにフィジカルアセスメント教育が始まっているところもあり、バイタルサインを当たり前にチェックできる新卒薬剤師が今後増えていくのは確実です。
6年生の大学修了後の選択肢のひとつである4年生大学院は、臨床のエキスパートを育成するためのものですので、更に専門的な知識を持って現場に出てきます。
つまり、病院で今後薬剤師に求められるスキルは更に高くなっていくというわけです。病院では薬剤師の年収が高いとしても、それ以上に求められることも増える、ということですね。
そして、その新卒薬剤師を指導する立場となる私たちは、それよりも高い知識と技術を身につけていく必要があるのです。
前述のとおり、病院薬剤師に求められるものはとても多くなっています。
これから求められるであろうフィジカルアセスメントの技術はもちろん、これまで別の職種、主に看護師さんの仕事だった輸液の調整や患者様への投薬管理、投薬状況の把握なども薬剤師に任されてきています。
ご存知のとおり、病棟に常駐する時間も法的に決められそれによる加算が取れるようになりました。
チーム医療のメンバーとしても薬剤師は必要です。仕事はどんどん増えていきます。
しかし、それに伴い人員不足が大きな問題となっています。4年制から6年制への移行で2年間新卒が出なった影響で、病院も薬局も薬剤師不足は深刻。それによって変わるのはやはりお給料でしょう。
実際に新卒の給与で比較してみると、病院薬剤師は20万円前後であるのに対し、薬局薬剤師は都市部で25万円前後、地方になれば30万円を超えるところもあります。
病院薬剤師はその病院ごとにかなり差があり、薬剤師の中では決して高くないお給料の病院と、財団法人などが経営をしていて高額なお給料が出る病院もあります。ただ、後者はかなりレアケースでしょう。
仕事がハードで給与はそこまで高くない病院薬剤師。薬局に転職を考えた場合、どのような点が変わりどういったことを考えて転職していけば良いのか。次章ではそれを考えます。
今病院薬剤師として活躍中の方の中には「調剤薬局は仕事が単調でつまらない」というイメージを持っている方も多いでしょう。
実際、病院に比べて一人の患者様に関わる時間は少なく、ひたすら調剤しひたすら投薬しひたすら薬歴を書く、という薬局も多くあります。
転職先がそういった薬局になったら単調な毎日にやや物足りなさを感じることもあるでしょう。
しかし、最近では在宅医療を請け負ったり、病薬連携で入院していた病院からかかりつけのクリニックでの経過観察になるにあたり、病院薬剤師と薬局薬剤師が情報交換するといった仕事も出てきています。一概に「単調でつまらない」と決めるのは早いでしょう。
数多くの薬局が存在する日本で、自力で転職先を見つけるのは難しいですが、転職サイトを利用して条件に合った転職先を提示してもらうこともできます。
転職サイト自体も様々なものがありますから、比較して自分にあったサイトを見つけ、素敵な転職を実現させてください。
クース・リー 編集部
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