薬剤師の転職で薬事を目指すことは大変？その実態を探ります。

薬剤師の転職で薬事の求人を探すとなると、非常に数が限られます。

全国規模で探しても10件少々ですから、いかに数が少ないかがわかっていただけると思います。

薬事の仕事は非常に専門性が高く、できる人の数も少ないのです。

また、仕事を少数精鋭で行う傾向があるため、一つの職場で長く薬事の仕事を続ける薬剤師が多くいるのです。

薬事ってどんなことをするの？と、あなたは気になっているかもしれませんね。

薬事とは、正式名称を薬事業務担当者と言います。

厚生労働省に対して新薬開発の許可を申請したり、薬局やドラッグストアといった薬を販売する施設の運営許可を申請するのが主な仕事です。

仕事は書類作成が中心となり、高度な医療の知識も併せ持っていなければ務まりません。薬事とは、とても難しい仕事なのです。

薬剤師の転職で薬事の仕事は、経験や能力がかなり問われる職種です。

薬事の主な業務は製薬会社が開発した新薬の承認申請の際に必要な申請書を作成することですが、医薬品や申請に関わるさまざまな法律の知識が要求されるだけではなく、厚生労働省に許可を得るためには納得させる申請書類を作成する技術も必要です。

申請書の作成と一言に言っても、一つの申請に必要な書類の数は相当なものです。

新薬の開発経緯やその計画、安全性や有効性などの科学的データー、臨床試験の結果や製造の過程の品質管理や品質保証などを、事細かく記載して論理的に示さなければなりません。

また、申請する医薬品の添付文章の作成や市販後の添付文章の改定なども行います。

業務では英語で書かれたさまざまな文書を読んだり英文を書くことが必要ですので、専門性のある高い英語力が問われます。

薬剤師の数ある仕事の中でも高いレベルが要求される薬事は、年収は高く仕事のやりがいは十分です。

申請前になると仕事に追われて毎日残業が続くということもあるようです。

しかし薬事の求人は希少なため、なかなか見つけることが出来ません。転職には薬事か開発の経験がある人が優遇されるでしょう。

企業内の管理薬剤師業務と薬事申請 、品質管理などを兼ねる求人もありますが、こちらも何らかの経験をある人が有利です。

薬剤師の転職で薬事を目指すのはなかなか厳しいですが、どんな人に向いているでしょうか。

薬事申請では膨大なデーターをまとめ上げて書類として作成しなければなりません。

細かい基準が山ほどあって一つ一つを確認しながらの緻密な作業の連続なので、申請書類が完成するまでには相当な時間がかかります。

申請書類を作成する専門性と共に、仕事への熱意ややり遂げる忍耐力がある人に向いているでしょう。

また、書類を申請する先は厚生労働省ですが、簡単に承認してもらえるような相手ではありません。

正当な理由だけを述べるだけでは足りず、巧みな言い回しで受け入れてもらえるようなトーク術やパワーが必要になる時もあるのです。

申請書類を作成するライティング技術も必要です。書き方によって受け入れられたり拒否されることもありますので、相手に納得してもらうためには論理的に文章を書くスキルがある人に向いています。

あと、先ほども出てきましたが、薬事は英語力がある人に向いています。TOEICの点数は高いほどよいですが700点はあるとよいですね。

薬事で使用する英語は専門的で仕事をしながら覚えるものも多いですが、英語の読解力、会話力、文章力がないと膨大な仕事をこなすことは出来ません。

薬剤師の転職で薬事の仕事をやりたくても、なかなかチャンスは巡って来ないかもしれません。

求人は不定期で少なく、見つかったとしても経験者募集がほとんどです、未経験者では応募できる求人が無いかもしれません。その上、年齢に制限があることもあります。

応募できる求人が見つけたら、すぐに応募してみることが大切です。

薬事の仕事のかなり年収はよいです。高年収の求人に応募したいところですが、見つかった求人の年収が希望よりも多少低くても、妥協するくらいの姿勢がよいかもしれません。

それほど薬事の求人は希少なのです。薬事の仕事をしたいなら、どんな求人情報でも逃すことなく、応募できる求人にはどんどん挑戦するのがいいでしょう。

また、薬事の仕事は大変やりがいはありますが責任が重大です。

申請前になると徹夜で仕事という会社もあるようです。仕事の厳しさと忙しさは覚悟の上で応募をする方がいいですね。

このように転職するのが難しい薬事ですので、応募が出来る時は万全の体制で臨みましょう。

どうしてもこの仕事がやりたいという熱意をこめた志望理由、あなただからできる強みをアピールして内定を目指してください。

薬剤師が転職で薬事を目指す前に、知っておいてほしいことがあります。

第一に、薬事の仕事は経験者が優遇されます。未経験者にとっては厳しい転職となりますが、薬事を経験している薬剤師ならば60歳以上でも働くことができます。

第二に、薬事の仕事は行政を相手にするだけではありません。社内における薬事法の教育も、大切な仕事です。

医薬品関係の仕事をしている以上、薬剤師の知識も高度なものが求められます。それを徹底し、周知していくことも薬事の大切な仕事です。

薬事の仕事は非常に難関な仕事ではありますが、ここで得られる経験は薬剤師としてのあなたの能力を高めてくれるでしょう。

もしもあなたが薬事に転職したいと思っているなら、求人の数や仕事内容をしっかりと調べてから、転職活動に取り組んでください。