薬剤師 1年目での転職。～年数か、経験か～

薬剤師が1年目で転職を考える場合といっても、一口には言えず、原因は様々でしょう。

上司とそりが合わない、職場での人間関係がうまくかない、会社のやり方に不満がある、薬剤師としてもっと勉強したい、良く分からないけれどとにかく転職したい・・・・・・。

まず、大前提として忘れてはいけないことがあります。たとえ薬剤師と言っても「社会人」であり「会社員」である、という事です。

一般的に言われているのは「最初の会社に3年」という事。どんなに理不尽でも、3年居るという事実がその人の耐久力や柔軟さを現しているとも言われます。

社会人である以上は、もちろん基本的に会社の方針に従わなければなりませんし、一年目で早々と転職を考えるということは、それなりの理由がなければ転職活動も困難になってしまいます。

しかし、薬剤師不足がいつまでも続くわけではないということは周知の事実。

また、中には「薬剤師はできるだけ早い転職を考えたほうが良い」という場合もあります。

まずは自分がなぜ1年目で転職を考えるに至ったのかを整理し、自分の考えをまとめておきましょう。

薬剤師が1年目で転職を考えるにあたり、早いほうが良い場合もあれば遅いほうが良い場合もあるということは前述しましたが、どのような場合を指すのでしょうか。

まずは、薬剤師は転職が遅いほうが良い、という場合。特に薬局薬剤師やドラッグストアの薬剤師の場合、経験が物を言います。

単純に年数という意味もありますし、経験した薬局数やその薬局がどのようなクリニックの門前だったのかという意味もあります。

当然、薬剤師として長く働いている方が調剤業務に「慣れて」いますし、いくつもの薬局を経験していたり、面調剤で様々な処方に触れている方が多くの知識を持っていますので、転職に際しては優遇されます。

管理薬剤師の経験者であればそれも加味される場合がありますので、そういった意味では1年目で転職などせず、がんばって今の会社での地位を上げ、経験をつんで転職したほうが良いでしょう。

しかし、新人になかなか経験を積ませない会社に居る場合、話が変わってきます。

絶対的な人手不足で店舗数もあまり多くない中小企業などの場合、会社の新人教育に対する制度がきちんと整っていなければなかなか様々な経験を積むことが難しくなります。

眼科の門前に3年も4年も居て、研修にも学会にも参加をしない、なんてことが起こりえるのです。

その場合、薬剤師としてのスキルはどんどん落ちていってしまいますので、どんどん勉強をさせてくれるような会社に早く移ったほうが薬剤師として成長できるのです。

また、まだその会社の色を強く刷り込まれていない状態、という部分を魅力的に思ってくれるような会社もありますので、現状のままでは自分が薬剤師として成長する機会が無いと考えている場合は早めに動き始めましょう。

薬剤師が1年目で転職活動を始めるにあたり、ひとつだけ絶対的に決めておいたほうが良いことがあります。

「自分にとっての最優先事項が何か」という事です。

例えば、今の環境があまりに激務で体を壊してしまいそうだから転職を考える場合。

ここでお給料を最も重視して転職すると、恐らく転職先でも同じような激務が待っています。「身体」が原因で転職したのであれば、「身体」を第一に考えるべきでしょう。

当然、仕事ですからお給料が高ければ仕事内容はきつくなってきます。

逆に休みや待遇を重視すればお給料は今よりも下がるかもしれません。

ただし、転職に際しては給与だけが大切なわけではありません。

例えば、今まで30万円貰っていたのに20万円しか貰えなくなったとします。しかし、問題はそれ以外の部分。今までの会社には勉強の制度がなく、毎月費用を負担して勉強会に参加し、学会に自費で参加していたとしたら、1年間で数万円の出費があります。

逆に新しい会社では10万円までの自己学習支援金が支払われる、となれば、状況は一転するわけです。

このように、転職に際しては何を重要視するかがとても大切になってきます。自分の考えをしっかり持って、転職活動に臨みましょう。

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